ストリートカメラマン

まぁたんと言う子と病気

「まぁたん」と病気

かなり前の話で恐縮です。
まだ、僕が現役のEMT( emergency medical technician)だった時、有る事で出血にたいして恐怖を感じて、もう救命としてはクソの役にも立たなくなってしまいました。

でも医療に携わっていたくて、看護助手の補助?として、ベッドメイキング、配膳、尿瓶洗浄、病室清掃などの雑用を毎日何となくしていました。


看護助手は結構ジレンマに陥りやすい職種で 患者さんが背中が痛いと申し出ても、さする事すら出来ません(禁止されています)。

ある日、看護課長がら呼ばれて、いよいよクビかなと思っていましたが、異例の打診でした。


「あんたは 今ヤル気ないから、逆に適任かと思って・・・」
「????」

「ある女の子が入院するんだけど、話し相手になってくれる?」
「はぁ?」

こんな発言があったから気をつけてあげて・・・・
「人間は生まれてくる環境は選べない、でも終わる環境は自分で選べる最後の手段」と。

その子は「まぁたん」と呼ばれる21才の女の子。
サイレント型 ステージⅡ後期のすい臓がんでした。
若い事もあって進行がとても早く 止められずに居ました。

いきなり症状が寛解したように軽くなるので、退院も度々。
国立H大に在籍するとても頭の良い子。
家も豊かな家庭に育ち、大学受験高校生の家庭教師と自分で少しでも両親の負担を軽くしたいと考えて退院中は新宿のキャバクラに勤めて売れっ子だったようです(メチャクチャ可?い子です)

彼女が3回目に入院してきた時が僕との初対面。

直前に祖母と、そして可愛がってたワンちゃんが病気で亡くなってしまい、身近な人の死を目の当たりにして自分の殻に閉じこもってしまったようです。

心療療法士でも看護師ですらない僕に何をしろと言うのか?
毎日病室を訪れ(通常は長い時間、家族友人以外男性が長い時間異性の個室に留まる事は出来ないのですが、病院とご両親のカンファで決まりました)
本人希望=女性はイヤ、若いイケメンもイヤ・・って←オイ)


とにかく話す訳でもないし、対応が分からない。
最初は救急車、ドクターヘリ、猫の写真を見せたりしても、ほぼ反応なし。

あるとき、萌カフェの女の子の話をしてたら、突然「私もなれるかな?」と。

いきなりで」ビックリ、「年齢で無理だな」と思わず答えたら、少し微笑みながら「○○ キャバ NO.1をなめるなよ」って。

それからは看護は一切出来ないのですが、自分の仕事の合間に中庭の散歩、買い物代行、くだらないお話、配膳などをする毎日でした。

化学療法、RIなどでの治療。 
辛かったと思います。
一言の泣き言も言わなかった。

何度目かの退院をして再入院。
完全に衰えてしまった彼女を見るのはとても辛かった。
何故か、美しさには磨きがかかってて、息をのむようなくらい。

桜の季節、中庭の散歩中に「来年の桜、見れるかな?」
どう答えよう? 
・・あまり記憶がハッキリしないのですが、結構 キツイ事を言ったような気がします。

「私の余命って 後どれくらい?」 
この答えは僕も聞かされていないので答えられませんでした。

立つのもやっとでしたが、「トイレだけは這ってでもいくから何もしないで」と。
そして毎日 薄化粧ですがキチンとメイクして・・・彼女の中に女の意地、矜持をみた気がしました。

自分が同じ立場だったらここまで毅然としていられるのか?

6月の雨の日、時の記念日、旅立ちました。痩せてしまいましたが、とても美しい顔でした。

それから1ヶ月と少し後、ぼくは退職しました。

最近、この子の夢を見たので徒然なるままに書いてしまいましたが すみません。
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by livephoto-neko | 2016-08-13 13:01 | 今を生きる

大好きな 猫と お気に入りの散歩道、そして神奈川の原風景をUPしていきます。
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